5月7日に首都圏で緊急事態宣言が出されました。そんな中で多くのサービスや施設が機能を停止しています。
もちろん学校や教育施設も基本的に休校になっているわけですが、公共職業訓練校は話が違います。なぜなら…公共職業訓練はお金をもらいながら行ける場所だからです!!
人生で職業訓練を2度も経験した、いわば職業訓練マイスターの私が緊急事態宣言下の公共職業訓練制度の現状をお伝えします。
ちなみに公共職業訓練校は生徒がお金をもらいながら勉強できる学校だよ
高校や大学と違って、生徒がお金を貰えるんです。基本的には雇用保険に加入していた人が給付を受けられるんですけど、言ってしまえば働いている皆さんのお金です。保険ですから。万人は一人の為にって福沢諭吉が言ってたやつです。
皆さんの大切なお金を貰いながら勉強をするんだから、とっても成長してその訓練校を卒業せねばなりません。
そしてちゃんとに就職をして、雇用保険を納める側、万人のために働く側になる必要があります。
訓練校も、卒業生の就職率が下がれば国からの補助金を期待できなくなってしまいますし、訓練内容がゴミみたいなものだと国からお金が貰えなくなってしまうので、そこは必死です。
だからいくら感染症が流行っているからと言って、勝手に休校にしたりできないんです。お国の指示待ちでございます。
【現状】大体の公共職業訓練校は休校
取り敢えずゴールデンウィーク明けまで休校
僕が見た感じだと、大体の公共職業訓練校が休校措置をとっていました(青森県は特に記載がなかった🤔)。特に北海道の訓練校は早期に休校措置だしてましたね。
期間は緊急事態宣言が出された5月6日まで。緊急事態宣言が延長されれば、同じように休校期間も伸びるのではないでしょうか。
なんと失業保険も全額支給
なんと驚く事に休校期間中も失業保険が貰え続けます。まあ、失業保険は訓練校とか関係なしに、雇用保険に入っていた人ならもらえる制度なので普通のことなんですけど、
訓練校に入学すると、失業保険がもらえるのが早まったり、もらえる期間が延長されたりするので、やっぱりなんだかお得な気分。だって何もしていなくてもお金が入ってくる…。
ずっと休校が続いて欲しい…でも問題はさっきあげたニュースにもある
「スキルが身に付かず再就職難しくなる懸念」
「委託料の問題」
そりゃそうだ。3ヶ月の訓練期間だとしたら33%。半年の訓練期間だとしたら16%の穴ですもの。
休校によって、卒業生のスキル担保は難しくなるだろう
訓練校の最低限のスキル担保ってどの程度よって話は置いておいて、聞く限り、休校中の訓練校主導の対応がないのが問題だと思う。
オンライン講義とか導入すれば尊敬ものだけど、お国がらみの施設にそんな尖ったスピード感は期待できない。それにしても、休校中の
- 学習要領に沿った課題の用意
- 休校中の学習に対するサポート体制
が全くないのは、”組織としての”質の担保は難しいだろうなあと感じる。
スキル感が分散する。できる奴とできない奴がはっきりする
これはもう現状全てに言えるけど、こと従来の”日本の教育”でいえば、クラス分けをして、平均値にターゲットを定めて一斉に講義する。できないやつに時間をかけて、できるやつは放っておく。(放っておくと言っても、授業には強制的に参加させるから言ってしまえば足を引っ張っている。)
この真ん中に持っていこうとする力がパッと無くなったのが休校措置なわけで、すると当然、それぞれがそれぞれのベクトルを持って時間を使う事になる。テレビを見続けたり、ゲームをし続けたり、本を読み続けたり、ガリ勉し続けたり、いい意味でも悪い意味でも。
学校の評価基準では残念ながらゲームのうまさは評価されないから、そう言った意味で休校後の生徒にできるできないの差が少なからず生まれるのは当たり前だと思うし、休校措置が無くなった後に一斉授業を始めましょうと散らばった個性を中央に集めるのも相当な力が必要だなと感じる。
授業ないから「暇」「何すればいいか分からない」はやばい
話が教育全般のほうに行ってしまった…、けど職業訓練校にくる人間は大体いい歳した大人だし、国民の税金をいただいているわけだから、当然高い目的意識を持っている人たちでしょう。(?)
この後に及んで「授業がないから暇、何すればいいか分からない」なんて受け身の学習をしているようじゃヤバイ。(長らくの受動的教育を受けてきた所為なのかもしれないけど。)
できる奴らは足枷になっていた”強制参加の一斉講義の時間”から解放されて能動的に学習を進める。自ら課題を見つけ出し/作り出し、解決をしながら学ぶ。アクティブラーニングの重要性をひしひしと感じますね👨🏫
余談:現状雇用保険はベーシックインカムみたいなもの
本来雇用保険は、毎月ハローワークに行ったり訓練校に行ったりと、一定の時間を割いていただけるお金だったのですが、昨今のコロナのせいで現状”ほぼ何もしなくても”お金をいただける状態です。
ベーシックインカム(basic income)とは、最低限所得保障の一種で、政府がすべての国民に対して最低限の生活を送るのに必要とされている額の現金を定期的に支給するという政策。
こんなありがたい現状を活かして何をするのか、何もしないのか…。ぜひ大きく成長するきっかけにして欲しいですね。ポストコロナに必要な能力が今問われている!